タンザニアで野球チームのコーチになりました。
※noteより転記しました。
この度、タンザニア初のクラブチーム、Tigers Baseball Clubのコーチに就任することになりました。
コーチになるまで
何故コーチになったかというキッカケは特にないのですが、先日、タンザニア野球に関するネット記事を見つけ、その中で今年から社会人リーグが始まると書かれていました。
関係者からは一言もそんな話聞いたことなかったので(笑)真偽を確かめたく、ナショナルチームのキャプテンであり、またタンザニアで初めて出来た友達でもあるアリに連絡してみました。
そしたら「毎週日曜日に練習してるから来てくれ」と。
それはどういうこと?リーグ戦はやるの?と返答する間もなく、タイガースの代表と名乗るシセという人物からメッセージが届きました。
そして少しメッセージのやり取りをした後、シセからコーチをやってほしいと言われました。
僕の野球経験は中学までの7年間、そして高校ソフトボールの3年間。
これだけのキャリアしかありません。(しかも野球時代はほとんど補欠。)今までタンザニアで指導されてきた日本人の方々に比べたら、はるかに劣る実績だと思います。
その話もしましたし、ソフトボールの指導との掛け持ちしなくてはなりません。
それでもどうしてもお願いしたいとの事でしたが、その場で「やります」とハッキリ言えませんでした。
そして日曜日。
約束通り、グラウンドへ向かいました。
すると、「ハーイ!コーチ!」「ありがとーございます!(日本人の指導者が多かったためか、挨拶出来る子が多い)」と、あれ?まだちゃんとやるって言ってないのに…と思っていたらアリから「カリブサーナ!コーチ!!!(ようこそ!コーチ!)」と、さすがに「まだやるって言ってない!」とツッコんでしまいました(笑)
その後、代表のシセと再度話し合い、こんな自分でも必要としてくれるんだと思い、引き受けることにしました。
日本人に対する敬意。
元々、移住先で野球の普及活動に携われたらと思っていたので、コーチを依頼されることはとても嬉しかったです。その一方で、ナショナルチーム経験者やタンザニア甲子園優勝メンバーもいるこのチームに自分なんか?とも思いました。
しかしそこには日本人に対するリスペクトの気持ちがあったように感じます。
彼らの行動を見ていると、挨拶や道具の扱い方など、随所にその気持ちが垣間見えます。
特にノックが終わったあと、日本ならグラウンドに向かって礼をするのが普通かと思いますが、一列にならんでこちらに向けて礼をしてきたときには、さすがに恐縮してしまいました。
元々タンザニアには年上の方を敬う文化がありますが、果たして他のスポーツでここまで律義にと言いますか、ここまでやるスポーツあるでしょうか?
タンザニアに野球が伝わって約10年。
僕が日本人というだけで、ここまでリスペクトされるのは、友成さんはじめ、タンザニアで野球指導をされてきた日本人の方々のおかげだと感じました。
JICAの協力隊が派遣できない状況の中、諸先輩方が繋いできたこのタンザニア野球の火を絶やさずに、次の方にバトンを渡すこと。
僕の中で、新たな使命が生まれた瞬間でした。